HDE Advent Calendar 2014

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19日目:Linux のデスクトップ環境が Mac や Windows よりも快適な理由 ー ウィンドウマネージャ編

こんにちは。HDE のおがわです。

皆さん Linux 使ってますか?

仕事はもちろん、普段使いのデスクトップ環境としても私は Linux を使っています。

Linux というとサーバや組み込みというイメージが強いですよね。実際そのような用途で利用されている方が多いのではないでしょうか。そして Linux のデスクトップ環境というと、無料で使えるけれど、MacWindows を既に持っているし、あえて使う理由はない、といった感じではないでしょうか。

でも、あえて使ってみると、これが意外と快適なんですよ。

 

Linux のデスクトップ環境の強み

目的や好みに応じて自由にカスタマイズできる懐の深さ、それこそが Linux の強みです。

デスクトップ環境でも様々な部分をカスタマイズできますが、とりわけウィンドウマネージャを変更できる点が私は素晴らしいと思います。自分好みのウィンドウマネージャを見つけられれば MacWindows をも凌ぐほど、快適な環境を手にすることができます。

 

ウィンドウマネージャとは

MacWindows をメインで利用されている方にはウィンドウマネージャという単語は馴染がないかもしれません。

ウィンドウマネージャとは、ざっくり言うと、アプリケーションをウィンドウとしてデスクトップ上に生成・描画したり、最小化・最大化といった機能を提供するソフトウェアです。(デスクトップ環境 ≠ ウィンドウマネージャです。)

ウィンドウマネージャ - Wikipedia

ウィンドウマネージャはデスクトップ上の操作を全般的に司るとても重要なソフトウェアです。もしこれを変更できるとしたら操作性をガラッと変えることができます。しかし、残念ながら MacWindows では OS の一部としてウィンドウマネージャが提供されており、これを変更することができないのです。

Linux ならできます。これが MacWindows よりも Linux のデスクトップ環境が快適になる理由です。

続いて、私が利用しているウィンドウマネージャについてご紹介します。

 

タイル型ウィンドウマネージャ

昨日の HDE Advent Calendar の篠原さんの記事でも少し触れられていましたが、Linux で使える一風変わったウィンドウマネージャのひとつに、タイル型ウィンドウマネージャがあります。

これを使いたいがために Linux へ移行する人もいるほど強力なウィンドウマネージャです。

タイル型ウィンドウマネージャ - Wikipedia

日本タイル型ウィンドウマネージャ推進委員会

私はタイル型ウィンドウマネージャについては数年前に同僚のたなべさんから教えてもらい、それからずっと使っています。タイル型ウィンドウマネージャの前は Fluxbox や Compiz を使ってました。

Fluxbox

Compiz

タイル型ウィンドウマネージャと一口に言ってもいろいろありますが awesome や Xmonad が人気 (?) のようです。私は awesome を使っています。

awesome

Xmonad

 

タイル型ウィンドウマネージャの特徴

タイル状にウィンドウを自動で整列してくれるウィンドウマネージャです。

具体的には以下のスクリーンショットのように自動で整列してくれます。

 

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ここでは 3 つのウィンドウを表示していますが、画面に無駄なスペースを作らず、自動でウィンドウを敷き詰めてくれます。ウィンドウが重なり合ってしまうことはありません。ウィンドウをリサイズしてひとつひとつ手作業で整列する必要もありません。

ドキュメントを読みながらコードを書いたり、ログを監視しながら UI を操作したり、といったユースケースには最適です。

たくさんウィンドウを開きたいときはワークスペース (タグと呼んだりもする) を切り替えます。ワークスペースは awesome や Xmonad では 9 つ用意されており、各ワークスペース上にウィンドウとレイアウトが保持されます。

 

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縦に並べたり。

 

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横に並べたり。並べ方は自由です。

操作感は tmux や GNU ScreenGUI にしたような、そんな感じです。一般的なウィンドウマネージャとはかなり違い、クセが強く、最初は戸惑うかもしれませんが、ハマれば最高の環境です。tmux や GNU Screen にハマる人は間違いなくハマるでしょう。

ウィンドウを移動したり、サイズを変更したり、フォーカスを移動したり、ほとんどの操作はキーボードから行うため、マウス操作は必要ありません。

また、マルチディスプレイ環境との相性は抜群です。タイル型ウィンドウマネージャの真価が発揮されます。モニタ間をまたいだウィンドウの移動やフォーカスの変更など、少ないキーストローク (だいたいワンストローク) で自由自在。高解像度の画面をフル活用できます。もちろん画面全体を無駄なく利用できるため低解像度の環境にも適しています。

 

おわりに

以上、Linux のデスクトップ環境をカスタマイズするにあたって強烈なスパイスとなる、ウィンドウマネージャについてタイル型ウィンドウマネージャを例に挙げてご紹介しました。

Linux のウィンドウマネージャにはタイル型ウィンドウマネージャの他にも 3D 視覚効果があるものや、タッチパネル向きのものまで、様々です。

自分好みのウィンドウマネージャを探すのも一興。Linux のデスクトップ環境は一度ハマると MacWindows に戻れなくなるほど魅力的なものです。年末年始のお休み中などにぜひ挑戦してみてください。